大阪市都島区在住、自宅や訪問、またオンライン型の「ゆりの助産院」を開業されている山口百合乃さんにお話を聞いてきました。
―ゆりの助産院は施設を持たないということですが、具体的にはどういった活動をしている助産院なのでしょうか?―
ゆりの助産院は自宅を事務所としているので、入院できるような場所はありません。実際にママ達が生活されているご自宅に伺い、おっぱいのケアをさせていただいたり授乳の相談に乗らせていただくことはもちろんですが、沐浴のお手伝いに行ったり、夜間の授乳の付き添いなどの訪問も行っています。
また、オンライン上でご相談ごとを伺ったり、個別の母親学級なども行っています。最近ではお子さんとの遊び方の提案や性教育についてもよくお問い合わせいただいています。それ以外にも、託児、ヨガ、アロマクラフトを行ったりとママのためのなんでも屋さんです(笑)
―助産師さんがそんなことをしているのは知らなかったです。病院にしかいないイメージでしたので―
確かに助産師の9割は病院やクリニックで勤めているので、そういうイメージになると思います。ただ、ママ達が日常的に感じている小さな不安や困りごとをわざわざ病院までお話に来ることは難しいと思います。私自身、2児の母なのでちょっとした不安がある時、少し手を借りたい時、頼れる先があればいいなと感じており、そういう場所にゆりの助産院をしていきたいと考えています。
ゆりの助産院のコンセプトとして「あなたが生きてる、それだけでいい」を掲げており、あまり正解や不正解、いい母親像に囚われすぎず、ママと赤ちゃんと家族が元気ならいいよ、ということを大事にしています。もちろん助産師としての知識は最大限伝えていきますが、その人にとっての、その時にベストな方法を一緒に探していくサポーターのような感じが理想ですね。
―なるほど。マナパークでは具体的にどんな活動をされていますか?―
いぶきケアルームの綾子さんと一緒に、ママのためというところにフォーカスしながらマタニティさん、産後ママさん、それぞれへの講座を月に1回ずつ実施しています。
綾子さんは鍼灸や柔道整復の知識をお持ちなので、西洋医学、東洋医学の両方面からのアプローチができることと、現場で何千人のママ達から教わってきたリアルのお声から講座の内容は考えています。
講座の内容ももちろんですが、他のママさんとの交流の場になることやなかなかゆっくり病院では話ができない助産師と気軽に出会える場としてかんがえていただければ嬉しく思います。
―最後にママたちに一言お願いします―
妊娠・出産・育児はとても大変ですが、それと同時に適したサポーターがいればとても楽しい経験になると思います。赤ちゃんのためだけじゃなくママのためのサポーターになりたい人がたくさんいますよ。
どうぞ、気になる講座内容がある方も、またすこし話を聞いてほしいという方も、気軽にご参加くださいね。
<実施講座>
第1木曜日10時~11時ごろ
第3木曜日10時~11時ごろ
※いぶきケアルームと共同開講
<講師プロフィール>
ゆりの助産院 院長 山口百合乃
近畿圏にて地域周産期センター・個人クリニックなど様々な規模の産婦人科に勤務。
今まで数千人のママ達と出会う。勤務を通して、また自身の2児の子育ての中でも、産後のサポート不足、年代や性別を問わず性の悩みが多いこと、それを表出できる場所が少ないことを感じる。
そのため、性と生に関する悩みを持つ人たちをサポートする、継続的な関わりができる場所を作りたいと、都島区にてゆりの助産院を開業。
病院を飛び出し、オンラインや訪問、イベント開催など様々な形で活動中。